小豆島

 尾崎放哉の「咳をしても一人」の島。
 昭和56年の前後,ラジオ番組「さだまさしのセイヤング」に「深夜の句会」というコーナーがあり,それは,週毎に出される御題にリスナーが投句し,さだまさしを含む3名の選者が吟味する企画であったが,私は御題「旅」のところ,
--------旅をしても一人--------
を投じ,それをさだまさしに選んでもらったことは,私にとって叙勲に値した。
 しかし,そのころは,咳をひとつした後の静寂さ,そこから広がる孤独感,つまりは静的なセンチメンタリズムが放哉の句のすべてだと思っていたし,そんな流れで咳を旅に変えてパロッたつもりでいた。その後,放哉の句の壮絶な,動的な意味合いを感じて以来,放哉については心に引っ掛かっていた。

  data
  日時:平成13年12月15日(土)
  撮影:MINOLTA TC-1,G-ROKKOR 28mm f3.5,FUJI Neopan 100 ACROS


土庄港
enlarge enlarge 放哉の在職した西光寺へ
西光寺 山門
enlarge enlarge 西光寺 鐘楼付近
南郷庵[Minango-an]跡

寺から少し離れた墓地の一角にある。受付に女性が一人,今は正午,私が本日一人目の訪問者と言う。
日の差した真っ白な障子がきりきりと目に入った。

enlarge enlarge 乾燥をはじめた菊花が風に飛んだ
墓地一帯 enlarge enlarge 一番手前に見えるのが放哉の墓。
歴代の住職の墓が並ぶ(画面右の外)広い敷地のかなり隅っこにあって奇異である。自然な発露といった雰囲気の配置であって欲しかった。墓のサイズが小ぶりなのには気品が感じられる。花崗岩,小豆島産か。
北風に飛んだ花で手向けた
enlarge enlarge 土庄港は島の西端にあり,福田港は東端にある。
西から東へ1時間掛けてバスで移動し,福田港からフェリーで姫路港を目指した。


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