尾崎放哉の「咳をしても一人」の島。
昭和56年の前後,ラジオ番組「さだまさしのセイヤング」に「深夜の句会」というコーナーがあり,それは,週毎に出される御題にリスナーが投句し,さだまさしを含む3名の選者が吟味する企画であったが,私は御題「旅」のところ,
--------旅をしても一人--------
を投じ,それをさだまさしに選んでもらったことは,私にとって叙勲に値した。
しかし,そのころは,咳をひとつした後の静寂さ,そこから広がる孤独感,つまりは静的なセンチメンタリズムが放哉の句のすべてだと思っていたし,そんな流れで咳を旅に変えてパロッたつもりでいた。その後,放哉の句の壮絶な,動的な意味合いを感じて以来,放哉については心に引っ掛かっていた。
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日時:平成13年12月15日(土)
撮影:MINOLTA TC-1,G-ROKKOR 28mm f3.5,FUJI Neopan 100 ACROS